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最後の一句 -森鴎外-

江戸時代、父親の罪を自分達が身代わりになる事で救おうと、

役所に訴え出る少女の物語。


一読でこのお話を理解するのは難しかったです。

いちの「お上の事には間違いはございますまいから」の言葉の意味もよくわからなかったし、

最後に父親がどうして助かったかもよくわかりませんでした。


何度か読み込んで、いちの言葉が「まさか間違いなどしますまいな」という、

お上に対する皮肉と念押しの一語であると読み取り、

父親は恩赦で死罪から追放に罪が軽くなったのはわかりました。


それにしても、いちの年齢不相応な冷静さと決断力には違和感を覚えますね。

自分は既に覚悟を決めているからいいのでしょうが、

いくら父や家の為とはいえ、

自分だけでなく幼い弟や妹の命までも投げ出させるというのは尋常じゃありません。

子供ならではの純粋さというやつでしょうが、

こういう事に疑問を抱かせない昔の日本の倫理観というのは、やはりどこかおかしいと感じました。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 7点
  • 感想   感慨深い

高瀬舟 -森鴎外-

寛政の時代、島流しになった罪人を運ぶ高瀬舟。

その舟の上で繰り広げられる、

弟殺しをした罪人の喜助とその護送をする同心の物語。


喜助の弟殺しの真相は、

病気にかかった弟が「兄にこれ以上迷惑はかけたくない」と、

自ら死のうとしたところを一息には死ねず、

それを見つけた喜助が弟に「苦しいから早く死なせてくれ」と頼まれ、

悩んだ末に仕方なく手伝ったところ、たまたまその場面を人に見られて罪に問われるというものでした。


その話を聞いた同心の庄兵衛は、

これが人殺しだろうか、喜助のした事は罪だろうかと疑念を抱きつつも、

結局自分では結論が出せず、上のもの(お奉行様)の判断に従うしかないと思い、

そうは思ってもどこかふに落ちないものが残ってるから

お奉行様に聞いてみたい、と思ったところで話は終わります。


安楽死というのは、いまでも結論が出ないぐらい難しい問題ですね。

個人的には死ぬしかない人間に頼まれて、その死を手伝うのは罪ではないと思いますが、

人の命を奪う事は、例えどんな理由があっても罪という考えも根強いですからね。


もう一つ、自分では判断できないから上に任せる。

これは楽です。誰でも一度は思うし、やるんじゃないでしょうか?

よく分からないから、両親に、先生に、学校の先輩に、バイト先や職場の上司に判断や意見を仰ぐ。

自分の考えが絶対に正しいという自信はなかなか持てないし、

間違った判断をして自分で責任は負いたくないですからね。


ただ、何でも人任せにしてしまうと、

やがて自分が判断をする立場になった時に困ってしまいます。

例え失敗したとしても逃げ出さずに自分で判断し経験を積む事が、

将来の自分の為になると思います。


(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 7点
  • 感想   感慨深い
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牛若と弁慶 -楠山正雄-

源義経の子供時代を描いた童話。


父の義朝が平氏に破れ殺されそうになるところを

母の常盤御前の懇願で命だけは助けられ、

鞍馬山の寺に預けられた牛若(義経の幼名)は平氏打倒を誓い、

山で出会った天狗に剣術を習う。

その後、京の五条の橋で千本の刀を集めようとしていた弁慶を打ち負かして家来にし、

元服後は兄の頼朝と協力して平氏を打ち倒すも、

頼朝と仲が悪くなって奥州へ下る。

弁慶は義経を守るために戦い、全身に矢を受けながらも敵をにらみつけて立ったまま死んでゆく。


どれも既に知っている話ばかりですし、

描写も淡々としているので、特に目新しい感想も無いです。

いい歳をした大人が読んで面白い話ではないですね。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 7点
  • 感想   痛快

堕落論 -坂口安吾-

終戦直後の日本人について語り、

人は堕落するもの、それを防ぐことはできないと言い、

堕落を防ぐことで人を救うことはできないと断言し、

正しく堕ちて、堕ちきった後に自分自身を発見し

救わなければならないと説く随筆。


人間は弱いもの、堕ちてもよいというのは安心感を与えますね。

自信を無くした人間に必要なのは、頑張れという励ましではなく肯定ですから、

戦後の日本人にはこういったものが必要だったのでしょうか。


堕ちる事は悪い事ではなく、堕ちた後に何かを見つけ立ち直る事こそが大事。


自分自身、まだ堕ちきるところまでは行ってないので、

はっきり理解できてるかは自信がないですが、

人間、落ち込まないと見えないものがあるというのはわかります。

不幸を経験して乗り越えると、人は強くなれますから。


もっと歳を経てから読み返してみたいお話ですね。

そうすれば今は見えないものが見えてくるかもしれません。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 7点
  • 感想   感慨深い
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外科室 -泉鏡花-

外科室内での手術の執刀医である医学士と、

その患者である伯爵夫人の純愛を描いた短編小説。


む、難しい…。

一読しただけでは、話の内容が半分ぐらいしか掴めませんでした。

再読した後にネットに上がってる感想を読んで、

何となく理解しましたが、現代の感覚でこの話を理解するのは困難ですね。

どうも、この時代を覆う文学の空気というやつには馴染めません。


そんな話の内容より気になった一文。

これとうてい関雲長にあらざるよりは、堪えうべきことにあらず。

麻酔無しの手術をしてくれと頼む夫人に医博士が言う台詞なんですが、

これは三国志演義でホウ徳の毒矢を腕に受けた関羽が腕の治療を受ける時に、

手術の為に麻酔をしようとする華佗に「そんなものは必要ない」と言ってのけ、

麻酔無しの手術中でも碁を打ちながら平然としていたという場面にちなんだものですね。

三国志好きとしては思わずニヤリとしてしまいました。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 6点
  • 感想   切ない

ところで泉鏡花って男だったんですね。

今までずっと女性の名前だと思ってました。

檸檬 -梶井基次郎-

病気を抱えた筆者のエッセイ、でしょうか?

街を散策しながら、心に浮かんだことをつらつらと書きつづったお話です。


以前は楽しめたもの、魅力に感じたものが、今はまったく楽しめない。

逆に何ということはないものに妙に心を惹かれる。

その感覚は最近の僕の心境によく似ていて、強く共感しました。

やや、情緒不安定な感じがいいのです。


それにしても心というやつはなんという不可思議なやつだろう。

まったくその通り。


(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


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  • 総合評価 7点
  • 感想   感慨深い
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オツベルと象 -宮沢賢治-

ずる賢いオツベルに騙されてこきつかわれる白象のお話。


オツベルにいいように使われてる事になかなか気付かない、

人の良すぎる白象にやきもきします。

白象が疲れて弱ってもオツベルはまったく容赦や改心をすることはなく、

白象を助けに来た象の仲間達を追い払おうとして、逆に潰されて死んでしまいます。

勧善懲悪。めでたし、めでたしという絵本のようなお話でした。

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ブックレビュー
  • 総合評価 6点
  • 感想   痛快

よだかの星

よだかは夜鷹と書きます。

鷹の名前を冠するも容姿は醜く、

鋭い爪もくちばしも持たないよだかは、小鳥にも馬鹿にされるありさま。

ある日、鷹に名前を変えるように迫られ、

変えなければ殺してしまうと言われたよだかは、すっかり世の中が嫌になってしまい、

遠い空の向こうへと飛び立とうとします。

太陽や、四方の星にそちらへ連れてってくれと頼むも、

そんな事は無理だとすげなく断られてしまったよだかは、

最後の力を振り絞ってどこまでも空へのぼっていき、やがて星になる。

そんなお話。


鳥のお話ですが、差別やいじめなど人間社会を風刺しているのは明らかでしょう。

赤ん坊のめじろを助けてあげたのにひどい扱いを受ける話はその典型です。

空で燃え続けるよだかの星はそんな社会に対する作者の怒りではないかと、

僕は思いました。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 8点
  • 感想   悲しい

追加要素

本を10冊読了で、「スタッフ紹介」が追加。

スタッフ紹介を読了で、読書中のBGMに「名曲クラシック」が追加。

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藪の中 -芥川龍之介-

盗人と、侍、侍の妻を巡る事件についての、

木樵、旅法師、放免、媼(おうな)、

多襄丸(盗人)、女(侍の妻)、死霊(侍の霊)の7人の供述から成る物語。


最初の4人の供述は特に問題ないのですが、残りの事件の当事者3人の供述が、

それぞれ食い違うというのが話の肝です。

盗人は俺が侍を殺したと言い、侍の妻はわたしが夫を殺したと言い、

巫女の口を借りて話す侍の霊は自殺と語る。

結局最後まで真相はわかりません。


僕の読み方では、一番最後に語る侍の霊の言うことが真実に思えます。

盗人の証言は死を前にしての最後の見栄っ張り、

侍の妻の証言は事件のショックによる混乱でおかしくなった為ではないかと。


ちなみに事件の真相がわからないままになる事を「真相は藪の中だ」と言うのは、

この小説の題名が元になっているそうです。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 8点
  • 感想   不思議

トロッコ -芥川龍之介-

鉄道敷設工事に使われるトロッコに興味を持った八つの少年のお話。


子供から見た大人。

子供と大人の感覚の違い。

楽しい時間を過ごした後にやってくる夕暮れ。

一人でいる事が急に怖くなり、家が急に恋しくなる気持ち。

家にたどり着いて家族と対面した時の安堵。


子供の頃に感じたそういった気持ちを懐かしく思い出させてくれるお話でした。

(この作品は青空文庫で無料で読めます。興味がある人はこちら。)


ブックレビュー
  • 総合評価 8点
  • 感想   感慨深い
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